特集 まなびを止めない!沖大オンライン講義の取り組み vol2
特集 まなびを止めない!沖大オンライン講義の取り組み vol2「ICT環境整備を担う職員に聞く!」
新型コロナウイルス禍の中『まなびを止めない』ためにと努力を続けたキーパーソンの人たちのお話しから、本学のオンライン講義への取り組みを振り返る特集。
2回目の今日は、常に新しい情報を入手し、本学のICT基盤整備を主に担当している職員の儀間真太主査にお話しを伺いました。
Qオンライン講義に沖縄大学が早い段階で導入、対応できたこと、どういった点が功を奏したと思いますか
本学は同規模大学と比較して、ICTインフラやシステムは整備されてきていると思います。Gmailやカレンダーを始めとするGSuiteは、国内の大学として比較的早めの2010年度に導入し、活用されています。Microsooft365も旧office365時代の2014年度から導入し、2020年度から最上位版のA5に切り替えたばかりですが、そのタイミングでコロナ禍による遠隔講義が開始されました。今回、最上位版に切り替えたことでオンデマンド形式の講義配信に対応できたことや全学的なTeams導入に繋げることができ、タイミング的にもよかったと感じています。本学ではコンピューター教室の整備やサーバーなどのインフラ整備を5~6年周期で行っていましたが、計画的に行っていたことも幸いし、遠隔講義開始にあたってインフラ整備に起因する問題はあまり生じませんでした。本学では3月下旬、新年度からの遠隔講義が開始されることが決まり、まず教員向けに講義用コンテンツの作成方法をどうサポートするかが課題となりました。その当時はネット上にもほとんど情報が無く、東京大学が開設したばかりのサポートサイトを参考にし、本学教員向けにアレンジしました。幸いにも東京大学が講義で推奨するシステムが、本学で採用しているGSuiteやMicrosoft365などだったことも重なり、サポートサイトの作成を大幅に短縮できました。
これまで、マルチディア教育研究センターの職員として心がけてきたことは、技術の変化が厳しいICT分野において、最新の情報を自ら積極的に入手し、学習し続けることです。本学が基盤システムとして利用しているNutanix社のいくつかの製品が国内では本学が初導入とのことで事例発表も行いました。
講演タイトル:Nutanixによる仮想化統合基盤の刷新と、Files、Flow、Calmの活用。
内容:本学で、2013年から稼働している仮想化基盤について、新たにNutanixを採用したシステムへリプレイスすることで、旧基盤上の様々な課題を解決することができた。講演では、Nutanix導入後に得られた効果とFiles、Flow、Calmの本学での活用方法について紹介を行った。
2019年10月31日、福岡
Q先生方のオンライン講義への取り組みについてはどのように感じていましたか
今回、本学が県内他大学と比較してオンライン講義に素早く対応できたのは、八幡センター長、小野副学長、経法商学科の大城先生、城ヶ原先生、豊川先生から成る遠隔授業対策プロジェクトチームの存在が大きかったです。先生方のサポートが無ければ、今回のような短時間での対応は不可能だったと思います。本チームで試行錯誤をしながら、専任?非常勤教員を含めたFD研修や情報提供用Teamsの作成が発案され、結果として教員間で知識を共有できたことが遠隔講義を乗り切る原動力になりました。
Q3月、4月は例年でも年度初めの登録業務等もあり大変忙しい時期ですが今年はさらに忙しかったのではないですか
例年、年度末?始めは繁忙期ですが、今年の3月下旬から4月のことはあまり覚えていません。3月中旬頃に、八幡センター長と新年度は遠隔講義を視野に入れる必要があるではないかと会話をしてから間を置かずに、学科向けと全教員向けのFD研修、システムの準備、学生向けアンケートの実施などと怒濤のよう1ヶ月半でした。その中でも学生貸与用ノートPCやモバイルWi-Fiルーターの確保と貸出作業は、かなり大変な作業でしたが、上記プロジェクトチームメンバーの豊川先生のおかげで短期間に物品を調達でき、ゴールデンウィーク前に学生に貸与することができました。今回のことはプロジェクトチームの先生方をはじめ、マルチメディア教育研究センターの構成員が一丸となってはじめてできました。緊急時のスピード感やチーム力が本学の強みだと実感しました。
Q後期に向けての準備等なにかスタートしていますか
現在の状況では後期も遠隔講義がメインになることが想定されるので、夏季休暇期間に無線LANアクセスポイントの整備(入れ替えと拡充)を予定しています。今回の整備で全教室に最低1台のアクセスポイントが設置されるため、将来、学生が1人1端末を所持して講義に望んだ場合でも問題なくインターネットに接続できる環境を提供できる見込みです。パソコン教室は通常約40名が一斉に利用可能ですが、三密を避けるために半数の20名以下の利用となっています。2020年度末に予定しているリプレイスでは、こうした状況を踏まえて、従来のデスクトップ型ではなく、移動が容易なノートPCを整備する方向で計画しています。
Qコロナ禍の中思うこと、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします
本学の緊急時の対応力やスピード感、チーム力は、他大学と比較しても引けを取らないと自負しています。センターとして、学生が大学生活を充実させられるようにICTの分野から縁の下の力持ち的な立場でサポートできればと考えています。今回のコロナ禍で一番大変だったのは学生とりわけ一年生だったのではないかと感じています。思い描いていた大学生活と異なる状況になっていると思いますが、このような状況の中、ICTに係る学習環境をどうサポートしていけるか、学生ファーストの立場に立って諸課題に向き合っていきたいと思います。
次回は、儀間さんと同じくICT教育のサポートを担うマルチメディア教育研究センターセンター長の八幡先生にお話をお伺いします。