沖縄大学は、6月10日に創立64周年を迎えました。
米軍統治下にあり、本土への渡航もままならない中、向学の志に燃える青年たちに学問の場を提供したいという創設者嘉数昇先生の強い思いを以て、1958年6月10日に沖縄大学は創立されました(1958年6月本学の前身となる沖縄短期大学が開学)。
嘉数昇先生は戦後の荒廃した沖縄の再建と振興のために教育の必要性を説き、私財を投じ沖縄で初の私立高等教育機関を創設、沖縄高校、沖縄短期大学、沖縄大学へと発展させてきました。
1972年の本土復帰に際しては、文部省(当時)より国際大学との合併の方針が示されましたが、沖縄大学は自主存続の道を選び、困難を乗り越え、1974年に文部省の認可を得ました。1978年には「地域に根ざし、地域に学び、地域と共に生きる、開かれた大学」の理念を打ち出し、新生沖縄大学として再出発しました。
2008年の創立50年の節目には、大学の理念を「地域共創?未来共創の大学へ」という沖縄大学憲章として再定義し、地域の未来を共に創る人材の育成を表明しました。
2018年の創立60周年には、OKIDAI VISION2028「地域がキャンパス、地域のキャンパス」を10年後の未来像に掲げ、その実現に向けて、教育、研究、そして地域貢献に取り組んでいます。
昨年度は学生たちの活躍に目覚ましいものがありました。沖縄県教員採用試験合格者が過去最多の52名(現役学生16名、過卒学生36名)となりました。新型コロナ禍の影響で緊急事態宣言が長期化し、教育実習期間と教員採用試験の日程が重なるという厳しい状況下で受験した学生もいましたが、これまでの学びの成果を発揮し、頑張ってくれました。硬式野球部は九州地区大学野球選手権南部九州ブロック大会で優勝を果たし、悲願の全国大会初出場を成し遂げました。男子バスケットボール部は九州大学リーグ戦2部で優勝して現在のリーグ制で沖縄県勢初の1部昇格を決め、陸上競技部も九州大会で2位、3位の上位入賞を果たしています。結成からわずか3年の水球部も九州大会初出場で見事3位に入賞しました。
収束の兆しが見えない新型コロナウイルスの拡大は、大学の教育に大きな影響を与え、コロナ禍の社会変化を大学教育の発展の契機と捉えた新たな視点が求められています。コロナ禍にあっても、教育の質を維持?向上させる工夫を続け、そこからも学び活かす行動を、互いに支えあえる大学運営を今後も志して参ります。
学長 山代寛