「琉球王国時代の沖縄のくらしを体感 おきなわ郷土村見学」経法商学科 前田ゼミの北部巡見
2月3日、経法商学科前田舟子先生の2年次ゼミ生は北部巡見を行いました。「歴史」をテーマにしている前田ゼミでは定期的に歴史的建造物や戦争遺跡等の見学を行っていて、今年度最後のゼミ活動として、「おきなわ郷土村」の見学をしました。
海洋博公園内にある琉球王国時代の沖縄の村落を再現した施設で、琉球王国時代の民家や高倉など時代を感じる建物がいくつもある場所です。沖縄本土復帰50周年記念事業として昨年4月23日にリニューアルオープンしたばかりの施設には改装された建物のほかに、より丁寧に説明が掲載された展示物が大幅に増え、より琉球王国時代の沖縄のくらしをわかりやすく体感できるようになっています。
施設の紹介や魅力についてはゼミ生の金城愛さんの感想を御覧ください。これまでは講義内のみでの巡見活動でしたが、今回は北部までの小旅行となり、歴史を学ぶだけではなく、ゼミ生同士の親睦を深める貴重な時間となったようです。
おきなわ郷土村?おもろ植物園で学ぶ琉球王国時代の歴史
前田ゼミは主に琉球?沖縄の歴史を学ぶことができるとても素敵なゼミです。歴史を学ぶゼミなので今回、海洋博公園の敷地内にある「おきなわ郷土村?おもろ植物園」に行ってまいりました。おきなわ郷土村では、琉球王国時代(その中でも17~19世紀頃)の沖縄の村落を忠実に再現しているので、琉球王国時代の村落を実際に目で見て確認してみたい方や琉球王国について勉強している方々には是非とも行ってほしいです。最初に地頭代の家(ジトゥデーヌヤー)を見学しました。地頭代とは琉球王国時代、領主に代わって村の行政を行った者で、間切番所の最高責任者として、耕地の分配や林野の保護、諸税の徴収や上納など、色々な行政を監理していました。地頭代は百姓の有力者の中から任命され、身分は百姓ですが、在職中は「親雲上【ペーチン】」の称号が与えられました。地頭代の家は、一般の民家に比べるととても大きくて、地頭職にしか許されていない瓦屋根構えの屋門があります。次にノロの家にお邪魔しました。ノロとは、集落の神事祭祀を司る神女のことで、村人の健康と豊作を祈り豊作に感謝する祭りを司る役目を担っています。琉球王国時代には首里王府から辞令を受けたノロが、それぞれの間切に数人ずつ配され、各自で数か所の神祭りを管轄していました。ノロの家の間取りは、一般民家と大きく違う点はありませんが、屋敷内にヒヌカンを祀るノロ殿内(ドゥンチ)といわれる建物があります。ノロの家の次は、本部の民家にやってきました。家の中には仏壇だけが置かれていたので、私はこの家には住みたいと思いませんでしたが、とても質素なのでミニマリストには最適な家といえるでしょう。
近年の民家では、1889年、琉球王国時代の行なわれていた屋敷や家屋に対する諸制限令が廃止されたので、それまで規制されていた赤瓦が各地の民家にも使用されるようになりました。豚小屋兼便所にも赤瓦が使われていて贅沢です。民家を見学し終えると、おもろ植物園にたどり着きました。桜が咲いていてウキウキしました。他には、草のような植物が生えていて素敵な場所でした。おもろ植物園を後にし、おしゃれな建物「じんぶんBOX」の中に入りました。そこでは、「おもろさうし」や祭祀における植物や魔除けの植物などの説明文を読み、とても勉強になりました。
琉球王国時代は私からすると遠い昔のことで琉球王国について何もわからないが、当時あったとされている建物を実際に見ることにより、琉球王国時代の一部を知ることができ、良い経験になりました。(2年次金城愛)