特別講演開催「基地問題と地域活性化」緒方修客員教授
11月14日(火)、「地域活性化システム論」(須藤義人こども文化学科教授)に本学客員教授の緒方修先生をお招きし、「基地問題と地域活性化」のテーマでご講演をいただきました。
講演では、中国に対抗するため軍事力を高める「南西シフト」によって沖縄本島や宮古島、石垣島、与那国島、奄美大島、馬毛島での自衛隊基地配備の様子を共有することから始まり、アメリカの「オフショア?コントロール」と対中の軍事戦略によって、米軍基地だけでなく、自衛隊基地を配備する流れを作っているとの説明がありました。
そして、住宅地に隣接した弾薬庫によって有事の際は住民の命の安全性が保てるのか、地方自治体に一任された島民避難計画で県民の命が守れるか、という現実的な課題や2001年の「911米国同時多発テロ」の際には、沖縄の米軍基地も攻撃される危険性があるという風評被害が広がり、観光客や修学旅行生のキャンセルが相次いだという過去の事例が提示され、沖縄県内の島々の地域活性化は、自衛隊基地の配備によって成立するのか、否かを考える機会となりました。
講演の後半は、図書館で開催されている「南西諸島ミサイル要塞化の危機」写真展の解説もありました。
写真は南西諸島の日米中のミサイル配備図、馬毛島の兵站(※1)拠点作成の動き、奄美の山中や宮古島の露天にさらされたミサイル格納庫、与那国島の巨大アンテナ群、貯蔵庫(実は弾薬庫)など、各島々の最前線を捉えた写真の紹介がありました。
アメリカが戦略的に自国からできるだけ遠い場所に戦線を置く「オフショア(沖合)?
(※1)兵站(へいたん)…補給?輸送?管理という3つの要素から成立つ総合的な軍事業務で、戦闘地帯へ後方から必要な物資や兵員を配置するといった活動全般を指す。
写真展は沖縄大学図書館一階ロビーで11月13日(月)~11月24日(金)まで開催しています。
【図書館開館時間】平日午前9時から午後8時まで(土?日?祝休館)
【問い合わせ】沖縄大学図書館 098-832-5577