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2024.06.12#大学からのお知らせ

創立66周年を迎えて 
スペシャル対談 山代寛学長?仲地博元学長

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2024年6月10日、沖縄大学は創立66周年を迎えました。
本学は創立60周年に沖縄大学憲章の実現を目指した長期ビジョン「Okidai Vision 2028」を掲げ、10年後の将来像を見据えた第5次中期計画を同時に策定、自己点検?評価活動に基づく教育の質保証を行ってきました。長期ビジョン策定に関わり、沖縄大学の飛躍に期待を寄せ続けてくださる第22代?23代学長仲地博先生をお招きして、山代寛学長と創立記念日を迎えたこの日に更なる沖縄大学の発展について展望しました。

2019年、長期ビジョン策定への想い

沖縄大学が創立50周年を迎えたときに、私は非常勤講師として祝賀式に参加していました。そのときの印象を「躍動し活力があり発展する大学の印象です」と当時の理事長新崎盛暉先生に言葉をかけました。このころ沖縄大学はこども文化学科の創設、GP(全国の大学の模範となる優れた取り組み)を7つ獲得という異例の成果を上げ、「教育力の沖大」を誇りをもって自称することができる状況でした。
50周年から60周年はホップ?ステップ?ジャンプの「ステップ期」であったかと振り返ります。健康スポーツ福祉専攻の設置、教員採用試験合格者の着実な増加、アネックス共創館の設置、そして文部科学省のブランデイング事業のスタートの年に、全国大学の中でわずか40大学しか採択されなかったのですが、沖縄大学の「沖縄型福祉社会の共創」が採択され地域に貢献する研究力が評価されたのです。
60周年にあたり、当時の長濱理事長の提言で、10年後の70周年に向け長期計画を策定することになりました。10年後はかくありたいという具体像を描くのです。OKIDAI VISION 2028です。70周年に向けての「ジャンプ期」の創造です。更なる飛躍をするために沖縄大学の理念である「地域に根ざし、地域に学び、地域と共に生きる、開かれた大学?を大学存立の使命として深く自覚し、21世紀型社会である「グローカル社会」の要請に応える形でこの理念を「地域共創?未来共創の大学へ」と発展させ、地球大で考え足元から行動を起こす21世紀型市民である「地球市民」の共育をめざすために、きちんとしたビジョン策定が必要だと取り組みました。
長期計画であるOKIDAI VISION 2028は、前半5年の第5次中期計画で具体化がはかられます。五次中計は大学の課題と特色を盛り込んで落とし込んでいくとても難しい構成にはなっていますが大学憲章をうまく構造化させて、各学部、部署が着実にビジョン達成に向けて歩んでいるように感じています。
理系学部である健康栄養学部の創設、50名を超える教員採用試験の合格者、プロ野球ドラフト会議で一位指名、司法試験の合格者とジャンプ期と呼ぶに相応しい成果を上げているのではないでしょうか。(仲地)

長期ビジョン『「地域がキャンパス 地域のキャンパス」沖縄大学は「知」と「人」の交流拠点となります』に掲げた沖縄大学の将来像について

コロナ禍の3年間は大学は事業を進められず、学生はキャンパスデビューもできずに困難な中でしたがよくがんばっていると感じました。例えば履修相談室の設置はとても期待しています。沖縄大学を点検するときの気になる指標が中退率でしたが履修相談室ができ成果を望めるのではないかと考えます。
地域との連携も深まっています。スポーツ団体、市議会、社協、NPOと包括連携協定が次々結ばれ、地域の期待が形となり長期ビジョンが具体化しつつあります。
私が在任中にやり残したことが「沖縄大学の公立化について、議論の芽出し」です。それが第六次中計には盛り込まれており喜んでいます、単に大学淘汰の時代に大学延命の措置ではなく、地域住民にとっての良い策であり自治体にとっても良い策であることを述べておきたいです。那覇市の住民の子弟は安い学納金で入学ができる、市にとっては設備投資等財政負担なく大学がもてることで、デメリットはありません。唯一、私立大学の理念や目標をどうするかという議論にはなりますが、本学の地域の大学であるという理念は那覇市の理念と親和性がありますので大学の公立化は第6次中計の核の1つにしてほしいと考えます。(仲地)

沖縄大学に期待することについて

沖縄県は薬学部の設置をどこかの大学にと企図し、現在は琉球大学が検討に入っていると報道されていますが、ハードルは高そうです。そのような地域のニーズにどう大学としては応えるべきか、地域の宝となる大学になるにはどうすればよいか、沖縄の各大学が協力し連携しながらそれぞれの大学を活かすような展望を作っていくことができる、その議論のリーダーが沖縄大学であってほしいと願います。沖縄の全大学の良さを再確認して議論を重ねてほしいです。(仲地)

長期ビジョンに掲げた「地域がキャンパス~」ということについては、ここ数か月で沖縄県や那覇市から地域課題を学生と共に解決できないかという協力のお願いがありました。沖縄県こども計画(仮称)に対する大学生等の意見反映取組への協力では「国際開発とSDGs」の講義で意見聴取及びフィールドワークを実施していく予定です。また那覇市、自治会、沖縄大学の三者連携企画「なはユース自治大学(仮称)」がスタートしています。(山代)

創立66周年を迎えて

沖縄大学を見守ってくださる方々、ステークホルダーの意見を取り入れながら発展できていることに感謝を申し上げます。卒業生の就職率や入試状況などを見ても大学運営については好調を維持していますが、そこに慢心せずに、取り組みを続けていきたいと考えています。
仲地先生の「先を見る力」に沖縄大学の発展が築かれていて、行政との連携事業も仲地先生のお力をお借りしている部分が多岐にわたっています。本日は、仲地先生からのお言葉を受けて、更なる決意を胸に刻みました。(山代)

仲地博先生 プロフィール
専門分野の行政法?地方自治法?憲法を中心に平和学などの分野でも研究を展開。北海道大学法学部を卒業後、明治大大学院法学研究科博士課程満期退学。1974年に琉球大学に着任し、2004年に同大法科大学院教授?法文学部長。09年から沖縄大法経学部教授。副学長を経て14年に22代学長に就任。(23代学長再任。)

山代寛学長 プロフィール
専門は医学一般。島根県出身。琉球大医学部医学科卒業、鳥取大大学院修了。08年に沖縄大人文学部教授に就任。17年より副学長。19年より健康栄養学部学部長。22年に25代学長に就任。